昔よりハードルが高くなっているのでは?

NPBにおいてその年に最も優れた先発完投型の投手に贈られる賞に、戦前の日本プロ野球で巨人のエースとして活躍して、その背番号「14」が巨人の永久欠番であり、第二次世界大戦で戦死した伝説の大投手、沢村栄治にちなんだ「沢村賞」と言うのがあって、今年ロサンゼルス・ドジャースに移籍した山本由伸投手がオリックスに所属していた昨年まで3年連続受賞していましたが、今年は5年ぶりに「該当者なし」と言うことに決まったそうですね。

「今シーズンの沢村賞、2019年以来の「該当なし」…堀内恒夫・選考委員長「甲乙つけがたかった」」
https://www.yomiuri.co.jp/sports/npb/20241028-OYT1T50136/
「沢村賞、堀内恒夫委員長「無理して選ぶことは必要ない」…5年ぶり「該当者なし」」
https://www.yomiuri.co.jp/sports/npb/20241028-OYT1T50180/

記事の中で選考委員(元NPB投手の5名)の委員長を務める堀内恒夫氏が「甲乙つけがたかった」と言っていますが、ただその「甲乙」が問題でして。
今現在沢村賞の選考基準は「15勝」「10完投」「200イニング以上登板」「奪三振250」等々いろいろとあるのですが、今回の候補者の中に最後に巨人の戸郷投手とソフトバンクの有原投手が残ったものの、その二人の投手でも選考基準を満たしたのが3~4項目と言う話ですからね。いや、これが二人とも基準を満たしたのが5~6項目だったらそれこそハイレベルでの「甲乙つけがたく」、過去2回しかない「2人同時受賞」もあり得たかもしれませんが、この程度では確かに無理して選ばない方がいいのかもしれませんね。

そうでなくとも今のプロ野球は先発→中継ぎ→抑えと言った分業制が確立されていますから、年間15勝はとにかく、「200イニング以上登板」とか「10試合完投」と言うのはよほどのことがない限り今のシステムでは難しいと思いますし、堀内氏も「将来的には基準を見直す」と言っているようですから数年以内には新基準で選ぶことになるのかもしれませんが。

なんか今年の新人王も2000年のパ・リーグ以来24年振り「該当者なし」(こっちは調べてみると過去両リーグ合わせて10回ある)になるのではないか、と言われているようですが、いずれにせよこういった賞を受賞できるような印象的な活躍をする選手が出てきてほしいですね。

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