思えばこの人がいなかったら。

今の相撲界はモンゴル出身の力士が数多くいますが、昔はと言えばハワイ出身の力士が多かったんですよね。まあ、その先鞭をつけたのが元東関親方であり元関脇の高見山だと思うのですが、その彼がハワイで見つけてきた外国人初の横綱となった第64代横綱の曙太郎氏(日本名なのは日本国籍を取得したため)が亡くなられたそうですね。

「曙太郎さん死去、54歳…史上初の外国出身横綱」
https://www.yomiuri.co.jp/sports/sumo/20240411-OYT1T50067/
「曙さん死去に花田虎上さん「言葉で言い表せない」、貴乃花さんは「数々の闘いの思い出が」」
https://www.yomiuri.co.jp/sports/sumo/20240411-OYT1T50165/

身長203センチ、体重233キロ(引退時)という体格は今見ても十分に恵まれているように思いますが、ただ、今のモンゴル出身力士と違って体つきはがっちりしていたと思いますし、何よりも「若貴兄弟」と言われた若乃花、貴乃花の両力士というライバルに恵まれた面もあってか当時相撲界で活躍していましたし、幕内で11回優勝というのも堂々たる成績なのではないか、と思いますが。
まあ、現役引退後は親方として後進の指導に当たっていたものの、突然相撲協会を退職し、総合格闘家になった時が誰もが驚いたと思いますし、その後はプロレスラーとしても活躍したことを考えるともともと格闘家としても素質はあったのかもしれませんね。

最初に「今の相撲界はモンゴル出身の力士が多い」と書きましたし、横綱の照ノ富士もモンゴル出身ですが、ただ思えば曙が外国人初の横綱となっていなかったら今の相撲界はどうなっていたのか、と思いますよね。そういった意味ではこれまでの相撲界に風穴を開けた存在であることは間違いないと思いますが。

それにしても54歳というのもねえ。確かに相撲取りというのは我々から見るとかなりの肥満体であることは変わりがありませんし、ただでさえ最近は力士が大型化しているのを考えると健康に留意した生活、というのも難しいとは思いますが、同じ元横綱からプロレスラーとなった北尾光司氏も2019年に55歳で亡くなっていることを考えると、これからの相撲界も力士の健康問題というのに真剣に取り組まなければいけないのではないか、と思いますね。

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