選手のためというより

今年の7月からパリオリンピックが開催されますが、何と言っても注目を浴びる競技と言ったら陸上だと思うんですよね。その陸上競技の一つである走り幅跳びでこんなルール改正が検討されていそうで。

「走り幅跳びからファウルがなくなる? 新ルール検討、英雄カール・ルイス氏ら猛反発」
https://news.yahoo.co.jp/articles/0966c2bca6438691b8649ff536d6638fa8edea79
「【陸上】カール・ルイス氏 走幅跳のルール改正検討について改めて反対を強調「この議論は終わり」「ファウル率は当時も変わらない」」
https://news.yahoo.co.jp/articles/358ebbb5e1ffe1923cc021ffca0aae290acfc5ba

現在の走り幅跳びのルールというのは20センチの踏み切り版と10センチの粘土板が敷かれ、その境目から着地点までの距離を計測する、というルールになっているので(ということはその境目の手前から跳んでも計測されないため数センチ損する)、その境界線ギリギリを狙うことでファウルが増える、ということである程度の幅を持たせた「テイクオフゾーン」というのを設けてそこから着地点までの距離を測る、というルールにしようということらしいですね。

まあ確かに学校の体育なんかで走り幅跳びをやるときにはまず踏み切り線なんて考えませんから純粋に跳んだ距離だけ測ることになりますが、なんだかそんな学校の体育レベルのことをオリンピックや世界陸上と言った国際大会でやってどうするんだ、という気もしますよね。
それにパリ五輪の後に開催されるパリパラリンピックでも走り幅跳びは実施されますが、それの視覚障害クラスの場合はこの記事でいう「テイクオフゾーン」を設けていますけれど、確かあの競技は「ガイド」と呼ばれる指示者がいて(まあ、パラリンピックの視覚障害クラスは大抵の競技にガイドがいるが)、選手はそのガイドの指示に従って助走をしたりジャンプをしたりするから設けているはずですからね(まあ、視覚障害の人相手に通常ルールでやったらファウルばっかりで競技にならないだろうが)。ですからこのルール変更というのは選手のためというよりもテレビ中継や競技時間の都合によるもの、と思っている人も多いのではないか、という気がしますが。

このルール変更に関して「レジェンド」と言うべき存在のカール・ルイス氏らが反対している、という話ですが、果たしてこのルールが採用されるのかどうか気になりますね(採用されると言っても2027年の世界陸上からだが。最近開催地が北京に決まったらしいが、来年は東京だし2大会連続でアジアかいな)。

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