プロでもこんなことするのかねえ

将棋というのはあらかじめ先手と後手が決まっていて先手が手を打って次は後手、というように交互に差していくのが誰もが普通だと思っていると思いますが、まさかプロ棋士同士の対局でこんなことが起こるとはねえ。

「プロ棋士が初手で反則負け、将棋順位戦で波乱…後手番の千田七段「思い込んで準備進めていた」」
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/20221222-OYT1T50094/

どうやら本来だったら後手の棋士が先に打ってしまった、ということでこれが反則負け、となってしまい結局1手も打つことなく対局が終了してしまった、ということのようですが、いや、将棋というのは普通の対局だったら考慮の持ち時間が6時間取られている、ということもありますし(ちなみにテレビのNHK杯のような「早差し将棋」は考慮時間が少なく(NHK杯の場合は1分×10回)、持ち時間を使い切ると1手30秒以内に打たないと負け)、よくある「封じ手」で対局が2日にわたって行われることもありますから、長考の末に手を間違えた、とかあるいは2日目の対局の際に間違えた、なんてことだったらわかるのですが、まさか第1手目とはねえ。

なんでも今回行われた対局はあらかじめ先手・後手が決められていて、本来だったら後手番だったはずなのに先手番だと思い込んでいた、というのが間違いのきっかけだった、というのですが、例えばこれがよくある将棋のゲームソフトで、あらかじめCPU対戦で先手後手をプレイヤーが決めていたら自動的に進むのですが、人間の対戦だとはそうはいきませんからね。これが囲碁だったら先手番は黒石と決まっているし、チェスだったら白駒が先手番、と決まっていますから、おそらく自分の持ち石や駒を見て先手・後手を判断できると思いますが、同じ駒を使う将棋はそうはいきませんからね。将棋の対局だって記録係がいるはずですから、対局の前に(記録係があらかじめ読み上げる、といったような)先手後手を確認する、とかそういったことはできないのかな、という気もしますが。そうすれば今回のように思い込みを防ぐことができたのではないか、という気もしますが。

まあ、確かに将棋のようないわゆるマインドスポーツというのは人間同士が行うものですから、時としてこんな想像もできないことが起こるとは思いますが(確か昔NHK杯で二歩をやって反則負けになった棋士がいた、という話を聞いたことがあるが)、やはり真剣勝負の場なのですから、周りもしっかりとしたサポートをしてほしいな、と思います。

棋士・藤井聡太の将棋トレーニング -Switch
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