やはり特別だったのかねえ

今年4月に亡くなった藤子不二雄A先生や、(いずれもすでに故人となっているが)かつてのパートナーである藤子・F・不二雄先生、石ノ森章太郎先生、赤塚不二夫先生といった漫画界でもレジェンド的存在である各先生方が影響を受けた漫画家と言えば「漫画の神様」こと手塚治虫先生だと思いますが、その手塚先生が描かれた未発表の生原稿が最近、藤子A先生のご遺族から手塚先生のご遺族に返却されたそうですね。

「手塚治虫の未発表原稿、藤子(A)さん保存…長女に返却「師弟関係に胸が熱くなる」」
https://www.yomiuri.co.jp/culture/subcul/20220812-OYT1T50279/
「仕事で煮詰まった時、気持ちが沈んだ時…藤子(A)さんが初心に戻れた「手塚先生の生原稿」」
https://www.yomiuri.co.jp/culture/subcul/20220813-OYT1T50067/

いや管理人この記事を読んだのですが、漫画そのものは終戦直後ということもあって紙不足ということもあったかもしれませんが、漫画は「貸本」と呼ばれる今でいうところのレンタル方式だった、というのは知っていたのですが、当時は写真製版が普及しておらず職人が原稿を模写をする「書き版」と呼ばれる方式が使われいた、というのに驚きまして。いや、未発表原稿の題材である「魔法屋敷」という作品は手塚治虫全集などにも収録されているから読むことは可能なのですが、もしかしたら今読むことができるのはその手塚先生のオリジナルではない、ということなのでしょうか?

それはそうと聞いた話だと手塚先生は一度雑誌などで発表された作品でもその出来に不満があると遠慮なく原稿を手直ししていたそうですからね(だから雑誌連載版と単行本版では同じ内容でも全く違う絵になっていることが多々ある)。今回の作品もおそらくそういった経緯で手直しをしていたと思うのですが、それがまたなんだって未完成のまま藤子A先生に贈ったのかな、というのも気になりますが(笑)。

今回手塚プロダクションに返却された、ということで「何らかの形で世に出したい」と言っているそうですが、おそらく手塚ファンも同じ気持ちではないか、と思いますし(もっとも発売されるとして例えば「魔法屋敷・復刻版/未発表原稿収録」とでも銘打って5桁行く額で発売されそうだが(笑))、何よりも藤子A先生と手塚先生の間でそういったエピソードがあったというのは漫画界にとっても興味ある出来ことでしょうし、もしかしたら同じような話がどこかにあるかもしれませんね。

まんが道(1) (藤子不二雄(A)デジタルセレクション) - 藤子不二雄(A)
まんが道(1) (藤子不二雄(A)デジタルセレクション) - 藤子不二雄(A)

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